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「う~ん、少しお前の態度がマンネリ化してきたなぁ……飽きるからインパクトを強くしてくれないか?」
「平然と無茶ぶりしないでくれませんか!?」
「例えば、妹の命【みこと】ちゃんに奴隷のように扱われながら登場とか……どう?」
「目をキラキラさせても絶対にしないから!」
せっかく純也君のおねだりeyeを使ったのだが、野郎には効果が無かった。
試しに効果を確かめるために、俺は瞳を潤ませながら森羅の瞳を見つめた。
「森羅……(キラキラ)」
「純也……(うるうる)」
俺の眼差しを受けて森羅も負けじと瞳を濡れさせて俺を見上げてくる。
どちらからともなく二人の顔が近づく。
「あっ、あの……二人とも?」
名前も知らないお邪魔虫を完全に無視して、俺たちの顔は終着点にたどり着いた。
ムチューッ……
「ちょっ、ちょっと教室内でキスは駄目でしょ!?」
「はっ!? 森羅の目に吸い込まれちまったぜ!」
「うぬぅ~純也ぁ~もっとなのだぁ~~~♪」
ザワザワザワッ!!
朝からクラスメイト全員の前で熱烈なキスシーンを公開した俺と森羅に祝福と殺意の入り交じった声が飛び交う。
俺は腰に抱きついている森羅を引きずりながら自分の机を目指した。
「パパ……」
「おぅ、朝から変な場面を見せちまったな」
俺の斜め前の席に座るアリスは少しばかり拗ねた顔で唇を尖らせていた。
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