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「ん? 機嫌悪いけど……どうしたんだよ?」
「……別に」
アリスはあからさまに両手の人差し指を突き合わせ、俯き加減でいじけている。
「ったく、ア・リ・スちゃ~ん、何で怒っているのかなぁ~?」
「……(ぷいっ)」
下からアリスの顔を覗きこむと、彼女はまん丸い頬をリンゴのように赤く染めつつ、そっぽを向いてしまう。
彼女のまん丸い頬を眺めていると、俺はとある欲求につき動かされた。
「つんつん♪」
「にゃっ!?」
真っ白な頬を指で突くと、思った以上の弾力で指を押し戻してきた。
その肌触りとアリスの反応に快くした俺は調子にのって何度もその頬を突っついた。
「てい、てい、てい!」
「うにゃ、にゃぁ、みいーッ!?」
最後の一発は椅子から転げ落ちながら、威嚇することでアリスに回避されてしまった。
「あはは、アリスは本当に可愛いな♪ まるで、本当の子猫みたいだぞ」
気を良くした俺はアリスの金色の髪を撫でながら微笑んだ。
「……僕……怒ったよ!」
ハムッ!
「げっ、またかよ!?」
アリスは差し出された俺の手を小さな両手で握りしめて、そのちっちゃな口で人差し指に噛みついた。
前回よりも少しばかり強めに噛まれており、指先から痛みが脳に伝わる。
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