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予想外に静まり返る教室に梅ちゃんは戸惑い、拍手していた手を宙で迷わせている。
『う~ん、いずれは付き合うの目に見えてたしね』
『付き合うまでヤキモキしてたから怒りさえ感じるぞ』
『でも、森羅ちゃんが嬉しそうだからOKじゃない?』
『グゾォ~森羅ちゃんと付き合いやがって、純也に死を!!』
『……ぬふふ、これでアリスちゃんはフリー決定だすな!』
好き勝手に俺たちの恋の成就にクラスが沸き上がる。
素直に祝福する奴、イライラしている奴、俺の死を望む奴、アリスに熱烈なラブコールを送る奴。
後者の二つの意見を出した奴については後で地獄に送ることを約束しよう。
「皆のもの心して我が声を聞くのだ!」
ガタッと隣の席に座る森羅は何故か机の上に立ち上がり、突然の奇行に驚くクラスメイトたちを見下ろした。
「皆の祝福の言葉に感謝するのだ! ここに私は宣誓しよう! ……純也LOVEであると!」
『オォーーーッ!』
「唐変木で鈍感な男で、さらに言えば女に弱すぎる男だが……私は純也LOVEであると皆に誓おう!」
意味のわからない宣誓に頭が痛いを通り越して現実逃避したくなってきた。
今ならニートや引きこもりになれる自信さえある。
出来るだけ関わらないように寝たフリをしていたのだが、テンション上がりっぱなしな森羅に腕を掴まれ、引き起こされた。
「ほら、純也も皆に何かを言うのだ! 『俺はプリティー森羅ちゃんに夢中だぜ! キランッ!』みたいな甘い台詞を吐くのだ!」
「そんなバカな台詞が言えるか! つ~か、『キランッ!』って何だよ!?」
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