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「私を魅了する純也スマイルに決まっているではないかぁ~♪」
「……頼む、黙ってくれ!」
ドスッ!
「みぎゃぁ!?」
首にチョップを叩き込み、森羅の意識を絶つ。
あまりの完璧な意識の奪い方にクラスのあちらこちらから感嘆の声があがる。
そして、立ち上がったことで周囲から何か一言を求める視線が集中する。
逃げようにも期待に満ちた梅ちゃんやアリスの瞳からは逃れる術など無いであろう。
「え~と、俺が言えるのは……」
頬を掻きながら必死に言葉を探す。
でも、そこまで頭も口も器用ではない俺が言えることなんて限られている。
「森羅は俺の彼女になった。 これから先もみんなに迷惑……つ~か、暴走に巻き込むと思うけどよろしくな!」
笑顔でサムズアップをクラスメイトたちに送ると、けたたましい歓声が沸き起こる。
「あぅ~私も彼氏さんが欲しくなっちゃいますぅ~霧島さんが羨ましいですよぉ~」
「……Japaneseコケシ……彼氏……欲しいの?」
「はぅ、お願いですからコケシは勘弁してくださいよぉ~」
アリスの天然さに梅ちゃんは涙を浮かべつつ、出席簿に目を通し始めた。
そして、舌足らずな口調で出席をとっていく。
一人一人に親愛の情を込めて名前を呼ぶ梅ちゃんに対して、生徒たちも元気良く返事をする。
「次は、栗林純也くんと霧島森羅さんですよ♪」
「はい!」
「ぬぅ……はっ、はいなのだ!」
気合い十分に俺は返事をし、気絶から蘇った森羅は慌てて返事をする。
そんな俺たちのやり取りを心底幸せそうに梅ちゃんは眺めていた。
俺は暖かい胸の安らぎを感じながら思った。
さてさて……これからの俺たちにはどんな事件が起こるのかねぇ~?
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