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俺は森羅のことを第一に考えているつもりだった。
でも、森羅は違う。
森羅は俺と二人のこれから先……未来のことを考えていた。
一人で幸せになる道は見つけやすいようで、簡単に見つけられるものじゃない。
少なくとも俺はこのお嬢様と一緒に歩ける道でなければ幸せを実感出来ないであろう。
「お前は凄いよ……うしっ、俺もお前の強さを見習うかな!」
「うむうむ、純也は悩んだり難しい顔をするよりは笑顔で突き進む方が性にあっているのだ♪」
自分のことのように森羅は喜び、満面の笑みを浮かべてくれる。
そんな月のお姫様のような可憐なお嬢様を前にしたら俺の理性なんてお陀仏だ。
「森羅、その……キスしてもいいか?」
「うっ、うむ、好きにしてくれて構わないのだ。 でも……あの、その……」
ポッと完熟したリンゴのようにまん丸いほっぺを赤くしながら森羅はごにょごにょと呟く。
素で聞き取れなかった俺は耳に手を当てて、森羅の口元に近づいた。
「何て言ったんだよ?」
「うぅ……恋人を辱めるとは……やっぱり純也は鬼畜なのだ!」
「誰がやねん!?」
ゴンッ、ゴンッ!
「みぎゃぁ、みぎゃぁ!?」
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