第1章/列島の異変

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なぜ、遠藤が深海潜水艇に乗るのか。それは、1週間前――丁度、伊豆中央地震があった翌日に遡る。 地震があったその日の夜――。日付は変わって、11日になった午前3時26分。沖ノ鳥島の沖合いに、無人島――漁師たちは「人魚島」とよんでいる島があった。 ある、一隻の漁船(海洋丸)は、低気圧を避けるために、人魚島に立ち寄った。船長が、友人の漁師から人魚島のことを聞かされていたからだ。 《海洋丸》は、小さな洞窟にある入江に停泊した。 その夜、突如揺れが襲ってきて、島が沈み始めた。《海洋丸》は、なんとか島を離れたが、島は完全に沈んでしまったのである。 で、地球物理学の権威である遠藤に、この調査を依頼したのである。
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