第1章/列島の異変

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小野田は、ゆっくりと《しんかい》を進めた。外は、静かな世界が広がっていた。その中を、《しんかい》は静かに進んで行った。 日本列島は、地質学的に見れば、「若い」島だった。約2500万年前、ユーラシア大陸から切り離され、海底の“地殻”である太平洋プレートとフィリピン海プレートのせめぎ合いの中で、1番大きな島、即ち「本州」の中程を折り開くような形で形成されていった。――そう、新潟県糸魚川沿いにある“フオッサマグナ”がそれである。このように私たちの国、日本は形成された。 日本海溝は、そのようにして太平洋から迫ってくる太平洋プレートとユーラシア大陸からのユーラシアプレートの海側のプレートが地中深く沈んでいる場所の境界線に形成された場所なのである。
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