第2章/東京の惨事

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「遠藤だが」 『あ、遠藤先生でしたか』 少し驚いた声を、小野田は上げた。暫くして、『何か』と言った。 「ああ。――《しんかい》だが、君……次はいつチャーターできるかね?」 暫く間を置いてから、小野田は答えた。 『そうですね。……来月中には、必ず。後、《しんかい1500》の就航と、アメリカの《ディープインパクト》の就航を待ってくれれば、もっとローテーションは楽になりますが……』「それでは遅いのだ!」 遠藤は、金切り声を上げた。びくっ、と霧島が驚いた表情を見せた。 「あの異変は待ってはくれん。今も刻一刻と日本壊滅の日……もしくはそれ以上の災害が起こりうるかも知れんのだ!」 『先生……あれは――あの日本海溝の異変は、一体何だったんでしょう……』 声を少し細めて、小野田は訊いた。
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