プロローグ/博多大震災

4/4
前へ
/95ページ
次へ
この日、北九州を中心とした、 マグニチュード8・5の巨大地震が襲った。この地震は、“初期微動”と呼ばれる、所謂(いわゆる)“縦揺れ”が通常の地震よりも短く、“本震”――つまり“横揺れ”は、通常の地震よりも長かった。被害は博多を中心にして、九州全土に広がり、震源地が玄海灘の浅い海底だったために、大規模な津波――高い所で12メートル――が九州の玄海灘沿岸を襲った。 死者は3万2051人に上り、倒壊家屋は10万5693件、何らかの被害をうけた家屋は、56万2000件になった。 後に判明するこの被害は、これから始まる戦後最大の悪夢――「日本大震災」の、単なる序章に過ぎなかったのである……。
/95ページ

最初のコメントを投稿しよう!

81人が本棚に入れています
本棚に追加