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人間界
「優、まだか~?」
「もう少し待って~。今からレジに行くから。」
彗が待ちくたびれた様子で優に声をかけると、優は最優先で欲しいカードを買える範囲内で選び、レジに並ぶ所だった。
「美佐達はどうだ?」
彗が美佐と龍の方を向き、そう言った。
「それが…美佐があまりにも優柔不断で…まだ悩んでるんだよ。」
「う~ん…」
美佐は先ほどから何も変わらない状態で悩んでいた。
「美佐長すぎ。とりあえずルールブックのある方優先にしとけよ。」
「分かった、そうするね彗。」
美佐はようやく結論を出し、レジに向かっていった。
「やれやれ…」
彗は優柔不断な美佐を見て、ため息をついた。
精霊界
「えっと…それはどういう意味ですか?先生」
アウスがドリアードの言った事をいまいち理解出来ず、尋ねる。
「要するに、この世界の住民ではない人ならあの裂け目を無くせる、そう言ったんですよ。」
「でも先生。そんな事出来る人、どうやって探すんですか?」
ウィンが裂け目を無くせる人を探す方法を聞く。
「それはですね…これを使うんです。」
ドリアードが何かを取り出した。
「それは…カードですか?」
「その通りです、エリアさん。このカードが、あの裂け目を消せる力を持つ人をこの世界に呼び寄せる事が出来るんです。」
ドリアードが自信たっぷりにそう言って胸を張った。
「それ、どの世界に送るんすか?」
ヒータがこの世界以外のどこの世界にそのカードを送るのか尋ねる。
「それは、人間界です。と言うよりも、人間界にしか送れません。」
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