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「ええ、実は十数年前に、この精霊界に迷い込んだ一人の男がいます。」
「先生、僕達その話初めて聞きますよ?」
ウィンが聞き覚えのない話に、そう言った。
「確かに…」
ヒータが納得をする。
「今まで黙っていましたからね。」
「何で黙ってたんですか?」
エリアがドリアードに黙っていた理由を尋ねる。
「それは…」
ドリアードが黙り込んでしまった。
「ま、まあその理由は後にして、先に話をしてくれませんか?」
優が黙り込んでしまったドリアードにそう言った。
「あっ、はい。その男の名前ですが、『風間 俊』(カザマ シュン)と言いました。」
「その名前…僕の父さんの名前だ!!」
優が精霊界に迷い込んだ男の名前を聞き、驚いた。
「まじかよ…」
彗もびっくりしたように言った。
「俊さんが、この精霊界に来た理由は誰にも分かりません。」
「どうしてですか?」
龍が尋ねる。
「どうしてここに喚ばれたのか、誰に喚ばれたのか、全てが謎のまま俊さんは人間界に戻っていきました。」
ドリアードが龍の質問に的確に答えた。
「それで、あなたは何故僕の名前を聞いた事があるんですか?」
「それは、あの人がここで結婚し、子供が出来たからです。」
「…はい!?」
優はドリアードから意外な答えが出てきて、更に驚いた。
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