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「えっと…その子供が僕ですか!?」
「はい。実は、あなたの産まれた翌年に、もう一人産まれているんですよ。」
『!?』
優、彗、美佐、龍の四人が顔を見合わせる。
「ちょっと待ってください。優には下なんていませんよ?」
彗がドリアードに向かって言う。
「それもそのはず。何故なら俊さんは人間界に戻る時、優さんだけを連れて帰りましたから。」
「そんな話、聞いてないですよ!?」
優が混乱しながら言う。
「優、とりあえず一旦落ち着いてよ~…」
美佐が混乱している優を鎮めようと、そう言った。
「…そうだね。それで、何で僕だけ?」
「理由は簡単です。二人共連れていったら、母親が悲しむからです。」
「僕に兄弟がいたのか…ドリアードさん、僕の母さんと兄弟は今、何処に?」
優がドリアードにそう尋ねた時だった。
ドリアードの顔が少しだけ強張った。
「すみませんが…優さん以外席を外してくれませんか?」
『わ…分かりました。』
彗達とウィン達がその部屋から出ていく。
「では、先程の質問にお答えします。」
「はい。」
「優さんの母親は…俊さんが人間界に戻った後、すぐに病気で亡くなりました…」
「…そうなんですか。」
優が、哀しみを隠せず、表情が顔に出てしまった。
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