悲しみの雨

出会い

　これからは二人で第二の人生を歩む。

　二度と後ろを振り返らない。

　記憶が戻ることがないかもしれないから――。

　記憶は心の奥深くでそっと思い出としてしまっておきたい。

「そろそろ病院に戻らない？　体まだ完治してないんだから」

　僕はそっと頷いた。

　こうして希望で満ち溢れた第二の人生が始まる。