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道を進むと、だんだん賑やかになっていくのが解った。町に入る手前で、浅葱が
『おい、紗夜。ちょっと待ってな、その服が目立つから』
『えっ!?』
返事も聞かずに、走り去る浅葱
(そうだよね…ここの人達の服と私の服…かなり違うから、目立つよね。)
木の影に隠れて待つ紗夜。一人で居ると、待つ時間が長く感じた。
………………………。
『紗夜!?お~い!紗夜!?』
遠くから浅葱の声が聞こえた。
『浅葱?ここだよ!』
木の影から手招きしながら、浅葱を呼ぶ。
『待たせた。ほれ、これを頭から被って行けば、服は解らないだろ?』
浅葱は紗夜に綺麗な布を頭から掛けた。
『ありがとう…浅葱…』
町中に入る二人…
町は、質素ながらも賑わいがあった。途中、浅葱が紗夜に話かける。
『今日は、かなり歩いたからなぁ…足は大丈夫かぁ?』
『はっ!?あっ!うん…ちょっと疲れたかなぁ…長く歩く事なんて無かったからね。』
流石に朝からずっと歩いて来た紗夜の足もかなり重く感じる。浅葱は紗夜の足を見て、
『よし…今日は宿で休むぞ。』
驚いた顔する紗夜。
『え…?急にどうしたの?』
『このペースだと、野宿になってもいいなら、別だけど?』
紗夜に向けて意地悪に笑う浅葱。
『えっ!?野宿はちょっと勘弁したい…かも。』
『なら、決まりだ。ここは、温泉があるから、ゆっくり足を休めたら良いさ。』
二人は、旅館で休む事となった。
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