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真っ暗な闇の中
上を見上げると
沢山輝く星の中に
一人の少女が泣いている。
…て…早く…
……お願…い。…
少女は小さな声で泣き呟く。
…早く…
ジリリリ…
けたたましく鳴る目覚まし時計に、目が覚める紗夜。
頭を掻きながら目覚まし時計を止める。
『何なんだ…今の夢は…』
…はぁ…
ため息をつきながら、重く感じる体を起こし、制服に着替え、薄い茶色の髪を束ねて結ぶ。
きっちりと朝ごはんを食べて…学校に向かった。
『……。』
今日に限って、かなりの眠気が襲う。眠気を引きずりながら、駅に向かい、改札を通り電車に乗る。電車の揺れが、更に眠気を強くさせる。
(あ…ヤバィ…寝ちゃいそう…)
眠気に勝てず、寝てしまう。
また…あの夢を見た。
暗闇の空に輝く星…泣く一人の少女…
彼女は一人泣く少女に近寄り、声をかけた。
『どうしたの?』
優しく紗夜は少女の頭を撫でながら聞いた。その、少女は泣きながら答える。
『紗夜をずっと待ってたの…』
正直、驚いた。少女に名前を言ってないのに…なぜ?
『待ってたって、どう言う…きゃっ!?』
強い突風と共に
視界が一気に真っ白になった。
暗闇の中…
一人、少女がニヤつく…
『紗夜…待ってるからね。』
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