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おい!?大丈夫か…
ペシペシ軽く頬を叩かれ、誰かが呼んでる声がした。
(ん…?ここは…?)
視界がぼんやりする、頭がはっきりしない…倒れる前の記憶を思い出す。
『あっ!?あたし!!』
ゴンッ!
勢いよく起き上がった瞬間に、頭…いや、オデコに鈍い痛みが走る。
『ったぁ~!』
『っつwww!』
オデコを摩りながら、横を見ると、オデコに手を当ててうずくまっている男がいた。
『だっ…大丈夫?…ん!?』
紗夜は男の服を見てビックリする。祭かイベントだろうか?姿は紗夜よりも少し年上っぽいが…相手の男の服装は少し変わった、チャイナ服みたいな服を着ていた。うずくまっていた男がオデコを摩りながら振り向き叫ぶ。
『ってぇ~!お前なぁ、いきなり起き上がるなよ!』
『あ…いや…その…すみませんでしたぁっ!!!』
紗夜は驚きと恥ずかしさが脳裏にグルグル回り、この場から逃げるように、扉を開いて走り去る。
オデコを摩りながら、走り去る彼女を呆然と見送る男
『…何なんだ?』
はぁ…はぁ…
『ビックリしたぁ…』
膝に手を付き、荒くなった息を肩で息を整える。かなりの距離を走った。振り返ると、神社もかなり小さく見える。
静かな、田舎風景にサワサワと風が優しく紗夜の体を撫でる様に流れる。
『はぁ…疲れたぁ~。なんで、走らなきゃいけないのよ!?』
ふと、周りを見回すと、何かがおかしい。
『…あれ!?ここは何処!?』
あるはずの、電車や電柱もない…道はコンクリートではなく、ただの土。
(私、迷子!?)
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