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呆然と突っ立つても仕方ない…
『駅があった場所まで戻るか…。』
とぼとぼと、自分が走って来た方向へと、歩き出す。
歩いても、歩いても駅は見当たらない。紗夜の足は限界に来ていた。
『なんで…駅が無いの?』
草むらに腰を降ろし、うずくまる。
(この歳で迷子なんて…恥ずかしいよ…家に帰れなかったらどうしょう…)
うずくまる紗夜に、上からおじさんの声がする。
『へへっ…おい、お前…見掛けねぇ顔だなぁ。服もへんてこな服だしよ』
ふと、声の方向に顔をやると、3人の男がこっちを見て、ニヤニヤ笑っていた。
『な…何の用ですか?』
後ろの男2人がひそひそ耳打ちして話ている。
(なんかヤバイ…逃げなきゃ!)
紗夜は身の危険を感じ、走り出した瞬間、紗夜の腕は、一人の男に掴まれた。
『痛っ!ちょっと放してよ!』
『へへっ…逃げられちゃぁ困るんだよ。あんたを売ったら、良い金になりそうだ。』
男は紗夜を引きずって行く。負けじと抵抗はするが、力では雲泥の差…ズルズルと引きずられていく。
(何!?売るって、どう言うこと!?そんな事ってあり?一体どうなってるの!?)
引きずられ、連れて行かれる紗夜…絶望感と恐怖心が彼女を襲う。
(もぅ、だめ…誰か助けて!!)
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