私はおしゃべりです

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「好きです。付き合ってください」 目の前にはおちゃらけているクラスの男子が、珍しく顔を真っ赤に染めて立っている。 告白されるなんて思っていなかった彼女はかなり驚いてしまった。 「罰ゲーム?」 とっさにそう聞いてしまう。 「あっ分かった!今度恋愛漫画を少女向けの描くから、参考にしたいんでしょう!クラスの人達に言われてたもんね。でもそういうのって、からかってるだけだから軽く流しちゃってもいいのに、律儀に描こうとしちゃって……相当なお人好しだね。でも、なんで私なんかにしたの?私なんかよりもっと恋愛に慣れていて可愛い人がいるのに……あっ!もしかして初々しいのを描くつもり?それなら私でちょうどいいかも。私、告白なんか今日生まれて初めてされたし……と言っても今日は告白と言うよりお願いだね。……そしたらまだ1回も告白された事ないや。うん、マンガを描くにはちょうどいいね。初めて付き合うのがマンガの手伝いっていうのは少し不服だけど、せっかくだから私で良ければ協力させてもらうよ。っと……ちょっと失礼」 彼女は後ろを向き手で口を押さえながら、その場にうずくまってしまった。 「どうした!?」 心配して駆け寄った彼は必死で顔を隠そうとする腕をほどこうとするが、中々ほどくことができない。 「体調でも悪い……っ!」 彼が背中を手のひらで軽く擦っていたら彼女は遠慮がちに顔を上げ、その顔を見た彼は言葉を失ってしまった。 「……真っ赤」 ようやく発した言葉に彼女の顔がさらに赤くなり、再び顔を見せまいと手のひらで隠してしまったのだ。 「……告白されるの初めてで……少女マンガの手伝いでも罰ゲームでも、恥ずかしい。ましてや好きな人だから……さらに恥ずかしい」 戸惑いながら言う彼女を見て彼は妖しい笑みを浮かべる。 「………俺の事好きなんだね。じゃあ、告白は成立だ」 「え?少女マンガの手伝いなんじゃ……」 驚いた彼女は顔を上げた。 「そんなこと一言も言ってないけど?第一、俺は少女マンガなんて描いてないよ」 チュッ……と目を丸くする彼女の唇に彼は躊躇いもなくキスを落として、さらに妖しい笑みを浮かべた。 「よろしくね?彼女さん」 end
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