ウサギの時計

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「少しいいかな?」 突然耳元で聞こえた声。 幼いのにひどく落ち着いた……。 驚いて立ち止まり振り返ると、そこにはあのチェシャ猫。 時兎の数歩後ろで、はじめからそこにいたように立っていた。 しかし気になるのはその距離。 さっきの声は確かに耳元で聞こえた。 ついてきていたのだ。 なのにチェシャ猫には一歩も動いた様子がない。 それに子供であるチェシャ猫は、時兎の耳元では話せない。 そう考えると時兎は寒気を覚えた。 「少しいいかな?」
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