ウサギの時計
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古びていて時間は止まっている。 これをどうしろと? 「短いのが白ウサギ。長いのはアリス」 「は?」 「アリスが動けば秒針は動く」 つまりアリスと自分の距離? 便利なことだ。 そう思った途端、秒針が動き出す。 そういえば約束の10分だ。 「そろそろ行かなきゃね」 「……」 「向こうに行けば公爵夫人の家だよ」 幸運を、とチェシャ猫は一歩下がる。 そして――スッと姿を消した。
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