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「ウサギ!」
無邪気な笑みを称えて、駆け寄ってきた美形男は
時兎に思い切り抱きついてきた。
「ウサギぃ💓」
固まる時兎をよそに、男はスリスリと時兎に頬を寄せる。
というかウサギ?
……人違いか。
「すみません。人違いです」
やんわりと押し返すが、男は聞く耳持たず時兎に抱きついている。
「駄目だよ、アリス。白ウサギが困っている」
「だってやっとウサギに会えたんだもん」
時兎をギュッと抱き締め、静かに声をかけた少年に膨れっ面を向ける。
しかし少年はそれでも静かに微笑んでいる。
言葉ほど諫めようという気はないらしい。
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