日常の終わり

4/7
前へ
/77ページ
次へ
「ウサギ……」 「うわぁっ💦」 突然男は顔を寄せてくる。 本能的にキスされると感じた時兎は、男の顔を押し返す。 しかもいつの間にか手が腰に💧 「アリス。今の白ウサギはニホンジンなんだからスキンシップは苦手なんだよ」 「そうなのか?」 不思議そうに言いながら、男は少年の言葉に諦めたのか、時兎から手をはなす。 ようやく助かった。 しかしこの男は頭が悪いのだろうか。 どうみれば純日本人の時兎がウサギに見えるのか。 「何なんですか。あなたたちは」 不審を交えながら聞くと、少年が時兎に微笑む。 よくみれば男とは違う、落ち着いた感じに美形さだ。 「自己紹介が遅れたね。僕はチェシャ猫。そっちの頭が悪そうなのはアリスだよ」 「……」 帰っていいだろうか。 何なのだ。そのメルヘンな名前は。 しかも男でアリス……。 親の顔が見てみたい。 関わりたくないが。
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!

222人が本棚に入れています
本棚に追加