命

生と死

約１年に渡る治療。

抗がん剤のせいで日々髪の毛が抜けて行きます。１年経つ前に頭はツルツル、眉毛と睫毛も無くなりました。

部屋には空気清浄器が設置され、半年は部屋から一歩も出れない、兄弟にも会えない状態。
理由は抗がん剤を使うため免疫力が落ち、容易に感染しやすい状態だから。

１日置きに採血をし、炎症反応や芽球と呼ばれる悪い細胞が増えてないか、血小板などが減っていないかのチェックです。

月曜日に採血をし、髄注と言って腰の骨に太い針を刺し、髄液を取って薬を注入し悪い細胞を叩きます。

その次の日から抗がん剤を投与する。
ある程度続けると血小板や赤血球が減少するため、輸血が必要になる。

しばらくすると免疫機能が低下し発熱。諸々の培養検査をして抗生剤、ステロイド剤の投与が開始。

１年以上かけて繰り返し続けられました。

ある日Ｎくんが言った事…

『もう嫌だよ。頑張れって言うけど僕今まで頑張ってきたよ。もう頑張りたくないよ。』

父親が付き添ってる時に言われたそうです。

母親やあたし達看護師には言わない言葉でした。

これがＮくんの本音、いつも付き添ってる母親や看護師には言わない彼が８歳ながら見せた強がり。