第一章

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「改めてはじめまして。朱川奈々子です。」 「そーなのかー。ルーミアだよー。」 「そーなのかー。」 月の下、昼間に出会ったお互いを初めて見た。 「人間だなー。なんでおいしくなかったんだろ?」 不思議そうに私を眺める。すると、あることに気付いた。 「あっ!奈々も髪が赤い!」 だれもが言うこと。自分でもびっくりするくらい、髪が赤い。特別なことが無い限り私はこれをポニーテールにしてる。 「へへー。変でしょ?」 「ううん。綺麗だと思うし、髪が赤いの、奈々だけじゃないの。」 へぇ。今まで私以外の赤い髪なんて漫画とかでしか知らなかったなぁ。それより気になるのは、「奈々」って呼んでくれてる。嬉しいなぁ。 「同じ人がいるの?会ってみたいな。」 「会いに行く?」 ………ごめんね。もう、立てない。足が棒。苦笑いしながら、 「あ、明日にしよ?」 と言うしかない。 「そーなのかー。」 素直な子だ。妖怪なんて信じられない。けど、昼間の彼女が人外を表している。闇を出せる人間はいない。見かけで判断なんかやっぱりできないんだなぁ。 にしても 「とても静かで綺麗だね。」 「いつもこうだよー。昼間は氷の妖精とかで騒がしいよー。」 やっぱり妖精もいるんだ。 ―その事で一つ考えたことがある― 「奈々はこのあたりにも来ない人間なんだねー。」 「うん…初めて…ここに来た。」 神隠しなんて言っても言わなくても、たいした事はないと感じたから言わなかった。 ―ルーミアちゃんを見て、それは固まった―
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