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「ほおずきって名前はね…実が人の頬みたいに紅いことからきてるの。」
これは、昼別れた人の受け売り。
「これで我慢はできないけど、ルーミアちゃんには人間を食べて欲しくないってことを言うきっかけが欲しくて採ってきた。」
ルーミアちゃんは私を見て話を聞いてくれている。
「妖怪だから人間を食べるんだろうけど、それは悲しいよ。」
ルーミアちゃんは不思議そうに私を見る。
「私は人間。人間は私の友達。その友達が妖怪に食べられる。これは悲しい。その妖怪が私の友達なのはもっと悲しい。」
ルーミアちゃんは不思議そうに尋ねた。
「トモ…ダチ…?」
「うん。私達友達。」
ルーミアちゃんはなんとも言えない顔をしている。
「私は妖怪で、奈々は人間だよ?」
「ううん。人間じゃなくて、妖怪じゃなくて、友達。」
ルーミアちゃんは今までにない表情を見せた。
「これは友達の印。」
私は彼女の手を握りしめた。
「……不思議…。とっても暖かい。これが奈々?これがトモダチ?」
「うん!友達!」
ルーミアちゃんの曇った顔が徐々に、
「友達…」
「友達。」
晴れ渡る。
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