1人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
題『砂の感』
病めば
踊り
病めば
歌い
病めば
海を見に走るのさ
とりあえず走るんだよおれ
そしたら海の砂がスニーカーにしみこんできて
耳の穴まで砂が回ってきて
朝を迎える
それが時を刻んでるってことらしい
やたらじゃりじゃり
ざらざらしてて
すべすべまんじゅうがに…とか思ってみるんだけど
やっぱりわしは走ってるときはじゃりじゃりしてます
じゃりじゃり走ってるときは
みんなじゃりじゃり見てるらしい
じゃりじゃりしてるとなんだかみんながじゃりじゃりに見えてきて
誰もがじゃりじゃりしてるように見えて
すごくはっぴい
だけどみんなつるーっとしてて私をみてるから
私だけじゃりじゃりしてると
そのうち捕獲されちゃう
気がつくとみんなが笑ってるんだけど
私 つるーっとしてるみんながその頃になってやっと見えてきて
そしたらまだ耳の穴に潮の味のするじゃりじゃり砂が
入ってます
じゃりじゃりするから熱く焼けた石を耳に当てて
水をだそうとするけれど
もう日が沈んでいく
今日も私だけじゃりじゃり過ぎていった
私もそっちに行きたいから
じゃぶじゃぶ海に突っ切ってやりたい
暖かい海は私を抱きかかえて
あなたのところにたどり着ける気がしています
最初のコメントを投稿しよう!