浜で犬掻き

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『風』 焼けている 焦げていくまで見守っている 焼けた 焦げていくまで見守った 縁あって出会った人々に 焦げていくまでくすぶった か細い煙を よくあること よくある日常 奇を衒う それを代価に 笑顔をいただく ゆるやかに焦げた くすぶって焦げた 名のない命 焼かれた煙は奇を衒えず 風に任せて空へ まっすぐに 光は射している 風は吹いている よくある光景 髪の毛がもうすぐ腰まで届く 子供の頃以来のこと
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