全力でアピール

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 にしても――――。  待つのはいいとして、どこで待っていれば確実に会えるのだろう?  当然、俺はカイトの行動範囲なんてものは知らないし、今日も生徒会活動で遅くなるのかどうかも知らない。  こんなときこそ携帯に連絡してみればいいんだろうけど、そこまでするのはいかにも会いたがっている感じがして行動に移せなかった。  地面に置いたスニーカーを見つめ、上靴を履き替えるでもなくもだもだする俺の横を、迷惑そうな顔で生徒たちが通り過ぎていく。そこへ、佐渡を連れた金泉がやってきた。 「あれ、まだいたの、ヒーローくん」  てっきり先に帰っちゃったのかと思った。そう笑いながらさっさと靴を履き替え、金泉は帰らないのかと首を傾げる。 「どうしたの? 靴の履きかた忘れちゃったの?」 「違う。その、今日はカイトは……」 「カイト? お弁当渡したときに言わなかったっけ? 今日はなんか各部の部長集めて今後の課題提出するから遅くなるって。今年は地区大会とかパッとしなかったでしょ? 予算の割り当ての話じゃないかなあ」  よくわかんないけど。そこで口を閉じ、なにか考えるような仕草をしてから身を寄せてくる。 「待ってるんだったら、二年の靴箱前にいたほうがいいよ? 二年は通用口から出ていったほうが正門に近いから、ここにいても来ないかも」 「……っ、べつに待つなんて言ってないだろ!」 「またまた~。じゃ、ボクは今日こそ洵一とラブラブ勉強会だから、もう帰るね」  ひらひらと片方の手を振り、もう片手ではしっかりと佐渡の手首を捕まえた金泉が、脂下がった顔を隠そうともせず生徒玄関から立ち去っていく。  俺はというと、知り得た情報を元にしばし逡巡し、意を決するとスニーカーに靴を履き替えその場を移動した
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