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「あーッ!あーッ!俺、何も聞こえてないから!」
まるで子供だが、そんなの構ってられるか!
自分から振っておいてこの反応はアレだと思うけど、平然と返してくるこいつもアレだ。
いいんだ。そう人の気持ちなんて俺がどうこう出来るモンじゃねぇんだよなっ!?でもな、恥ずかしいんだよっ死ぬほど!
どうして、こいつはそう当たり前みたいに即答できるワケ?
「…朝居…」
俺の顔がブワッと赤くなるのを見たカイトが、驚いたように目を見開いた。
「あらま、真っ赤っかぁ」
金泉も覗き込んでくる。
その目は、楽しいものを見つけたかのようにランランと輝いていた。
「うるさい、黙れ!このどアホ共がっ」
「よかったね、海斗。意外に脈ありなんじゃ…」
「んな訳あるかぁああっ!」
反射的に金泉にストレートパンチをお見舞いしていた。
しかし、それは見事に避けられ、逆に捕まることになる。
金泉は俺を引き寄せると、クスリと微笑し…
「海斗、GO!」
と、まるで犬に与えるコマンドのように、ウィンクしながら指示を出した。
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