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第八話 解析結果に伴うことについて
「遅かったなまあちょうどいい、レポートのサインお前もだとよ」
66階の1番奥にある室長室に入っての第一声がそれだった。
シンはそう言うと一枚の紙とペンを差し出した。
「ちょっとレイラに頼み事してきてさ、はいよ」
ラークはサインを書面に書き込み、書面を眺めた。
すぐ上の行にシンのサインがあるが、自身が書いた字と見比べると思わず溜息を漏らしてしまう。
ラークの字はお世辞にも上手いとは言えなく、シンの字は非常に綺麗だ。
「どうして同じ人間なのにこんなにも差がでるのかねぇ」
「ははは、まあそんなに悲観するのはいかんよラーク」
肩を落としたラークに声をかけるのは資料などが高く積んである机に腰掛ける初老の男性。
「分かってますってジル室長、所で魔物の件で何かわかりましたか?」
ラークにそう言われる事が分かっていたかのようにジルと呼ばれた老人は分厚く括られた紙を差し出した。
室長とは生物研究部門を担当する人物だ。まあ簡単に言えば神羅の幹部だ。
ジルから受け取った紙を何回かめくったラークは驚きに表情を変えた。
「おいおい、なんだこの血の構成成分・・・」
ラークはそういって息を呑んだ。
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