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「赤血球、白血球、血小板、血漿蛋白質etc・・・どれも本来の半分にも満たねえ」
ラークは呟きながら紙をめくる。
「そして他の成分が極端に少ない理由はこれか・・・血の半分が『魔洸』で構成されてやがる」
ラークはまるで誰かに悪態をつくように吐き捨てた。
ここで魔洸と言う大事なキーワードがでできたので説明しよう。
魔洸とは簡単に言えばエネルギー資源だ。
魔洸は膨大なエネルギーを生み出す事ができて、神羅はそれらの魔洸を売る事が生業となっている。
だが魔洸は人体には有害なのだ。
微量なら症状は出ないが多くの魔洸を浴びると将来的に障害が出てしまう恐れがある。
それは魔物にも同じ事で血の半分も魔洸ならば絶命してしまうだろう。
「そう、本来ならありえないことじゃそれでは生物としての形を留められん」
ジルはそう言いながら椅子から立ち上がった。
「まだまだ推測の域を出ん、だからアルシェと言う奴の情報をもってきてくれ」
ジルの言葉にシンとラークは頷いた。
「と言ってみたもののどうするんだ?」
室長室からでてきたラークは両手を頭の後ろに回してぼやいた。
「もう少ししたら任務がレイラから出るだろ、そしたら任務先でアルシェの事を地道に調べるしかないな」
シンはそう言ってエレベーターのボタンを押した。
「うへぇ・・・地道な作業だなオイ」
肩を落としたラークは自分の部屋がある階のボタンを押した。
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