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第三話 案の定追加任務
「貴方達には即刻ウータイに飛んでもらうわ」
司令室に入った途端そんな事を告げられた。
それをラーク達に言ったのは鮮やかな金髪を腰まで伸ばした女性。
「レイラ、マジで?俺とシンでウータイに飛べと?」
ラークの言葉にレイラと呼ばれた女性は頷いた。
レイラはラークと同期のソルジャーで、まだ若いながらもその統率力と冷静な状況判断の才能を買われ史上最年少で1stの司令総監を務めている。
なのでラークはレイラの命令を無視出来ないのだ。
「わかったよ・・・じゃあ明日にでもウータイに向かうから書類等はシンの部屋へ」
そう言って部屋を出ようとしたラークだがレイラに止められた。
「今回の任務六人も殺されてるの並の魔物じゃないと思うわ、気をつけてね」
「ああ、最近の魔物の異常増殖にも関係あるかもしれないからそのほうも調べてくるわ」
レイラの心配そうな言葉をラークは笑って返した。
そして次の日。ラークは海の上にいた。
当然生身で海の上にいるわけでは無い。
ラークとシンは船でウータイを目指しているのだ。
「くっそ・・・海め・・・船め・・・何でこんな揺れんだよ、飛行船がよかったわ」
ラークは船酔いで一人甲板で突っ伏していた。
長距離の移動の場合飛行船で移動する時がある。
だがそれは大人数での移動の時に限られており、今回のようにいくらクラス1stといえども二人だけでは飛行船での移動は出来ないのである。
なので週に何回か出ている定期船での移動となる。
「しょうがないな今回は二人での任務なんだしほら」
船内からでてきたシンは果実を搾ったジュースを差し出しす。
それを一気に飲み干したラークは少しは楽になったのか口を開く。
「あと、どれくらい?」
「もう少しだと思う、ほら見えて来たぞ」
シンはそう言って水平線に広がる島を指差す。
「やっとこの地獄の苦しみから解放される・・・」
しばらくすると船はウータイに着き、ラーク達は直ちに任務で指定された場所に向かった。
「確かここらでいいんだよな?」
「ああ、何時来るか分からないから気をつけろよ」
シンはそう言って自身の武器である大槍を構える。
ラークも純白の剣を構えて身構える。
次の瞬間鼓膜が破れるのではないかという叫び声が響いた。
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