夢の抜け殻

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第四話 白の閃光赤の奔流(後編) 「終った・・・早く帰りてー!!」 ラークはそういって地に仰向けに伏せた。 いつの間にかラークの剣はもとの純白の剣に戻っていた。 「違う・・・今までみてきた魔物のどれとも違うこれは報告しなきゃだな」 シンは手に持った機械にその魔物の情報を打ち込んでいく。 そして微量の魔物の血を採取してシンはそれらを鞄に締まった。 「よし、じゃあ行く・・・!!」 シンがラークに喋りかけようとした所に驚きの光景が目に入った。 何と先程までラークとシンしかいなかった場所に一人の赤い髪の女性が現れたのだ。 その女性は魔物の死体を検分すると口を開いた。 「せっかくのオモチャが・・・炎に強いように『造った』んだけどなあ」 女性の不振な言動にラークは思わず剣を構える。 まず立ち振る舞いと感じが普通の人とは全然違う。 その気は思わずラークが剣を構えてしまう程だった。 「一つ聞いていいか?」 ラークの言葉にも赤髪の女性は動じずにどうぞ、と先を促す。 「この事件とあんたは関係あるのか?」 「さあ?力ずくで聞いてみれば?」 女性はそう言ってブレスレットに黄色いビー玉程の玉を嵌め込んだ。 ラークとシンもそれぞれの武器を構える。 まず先手を取ったのはラーク。凄まじい早さで、赤髪の女性に走り寄る。 だがその走りも目の前に現れた何かによって停止せざるをえなかった。 「これはあの魔物!!『あやつり』のマテリアか!!」 ラークの目の前に現れたのは先程倒した魔物だった。 マテリアという用語がでてきたので説明しよう。 シンが魔法を使っているがあれは何の代償も無しに行使している訳では無い。 人が魔法を使うには『マテリア』という玉が必要なのだ。 人はそのマテリアから魔法の情報を読み取って魔法として使っているのだ。 普通はマテリアは武器やブレスレットに着ける事が多い。 マテリアにもいろいろ種類がありそれは追い追い説明するとしよう。 今赤髪の女性が使ったマテリアはあやつりというマテリアなのだ。 その名の通り相手を操る事の出来るマテリアだ。 だが赤髪の女性はラーク達にそれを使わず先程ラークが倒した魔物を操ったのだ。 「そんな使い方があったなんて・・・まるで人形使いだな」 シンがそう呟くと赤髪の女性はそれを嘲笑うように言った。 「ちょっと違うわね・・・私の名前はアルシェ、組織で与えられた二つ名は・・・」 「死霊使い(ネクロマンサー)よ」
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