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タンッ、タタンッ、タタンッ、タンッ… 先程から降りだした雨がフロントガラスの上で激しくリズムを奏で始める。   昨夜の天気予報が今日は午後から雨だと告げていた。   荷物になるからと迷ったが、傘を持ってきて正解だったと思いながら、煙草に火を点けた。   「…ねぇ、まだ着かないの?なんだか気持ち悪いよ。」 不意に助手席の瞳が口を開いた。   「ん…車酔いか?」   少し長めの襟足を掻きながら希が訊いた。
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