狂気ノ夜1⃣

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「……宗一?」 声に振り返ると、そこには少年の様な笑顔の、いつもの宗一が立っていた。 「おいおい、そんな顔して…どうしたんだ?」 「ど、どうしたって…」 まるで当然の事の様に言う宗一に、美也子は一瞬戸惑ってしまった。 「中にいたんじゃ…よかった……それより、お父様は…」 「ああ、全部終わったよ。でもな……」 「……でも?」 そこまで言うと、宗一の目は仄かに憂いを帯びた。 「でも…もう美也、おれはオマエとは一緒にいられなくなってしまった。」 「一緒に……え!?」 美也子は一瞬自分の耳を疑った。 「……約束…守れなくてすまなかったな。」 「どう言う…意味?」 「美也……あ………てる。」 「え…………?」 そう言うと、宗一は踵を返した。 「ちょっと待って!どう言う事なの……宗一ッ!宗一ぃッ!?」 (ッ…か、身体が…ッッ!?) 美也子は宗一の後を追おうとしたが、意志と身体の連動が為されず、指一本動かす事が出来ない。 「そ…そういちいいぃっ!!!」          
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