覚メナイ悪夢1⃣

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「あ、ああ…解った…」 カチャッ…… 「勿体付けて…一体、客間に何があると言……ッッ!!」 言いながらドアを開けると、主人の視界を一面に広がる紅が染めた。 「く、日下部…ぇお…これは…一体……なん…だ…これは…おぇ…げぼッッ!!」 主人は言い終わらないうちに、床に吐瀉物を撒き散らした。 …それは一目に宗一とは解らず、主人の目には血溜りに浮かぶ只の肉塊に映った。 「宗一様…です。経緯は存じませんが、旦那様が斧で……」 日下部は眉一つ動かさずに冷たく言い放った。 「斧……わ…私が?馬…鹿な…」 「いえ、今夜はお2人以外客間を使われておりません。」 「嘘だ…私はソファーにずっと…」 「はっきりと…その記憶がお有りですか?お嬢様の目にはつかない様にしてありますが、お着替え前の旦那様の衣類に大量の血液が付着しておりました。恐らく宗一様の返り血かと…」 主人は反射的に自らの服に目をやると、普段はシャワーを浴びた後にしか着るはずのないバスローブを纏っている。 勿論、シャワーを浴びた記憶は微塵もない…あるはずも無かった。 「理解して頂けましたか?」 「………」 その言葉に正気に返った主人は、日下部の言葉に顔を上げた。 「………私が…彼を…殺したと…ワタシガ…ソウイチクンヲ…ウソダウソダ…コロシ……」
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