覚メナイ悪夢2⃣

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「日下部、貴様の持ってきた板では役に立たん…」 主人は冷たく言い放った。 「は、申し訳あ…ッ!」 言われてみれば、ロックの犬小屋から剥ぎ取った板は2枚… 美也子の部屋のドアに打ち付けられている板は少なく見積っても10枚以上ある。 「この板は一体……」 「ベッドと部屋のドアを壊した…貴様になど頼まずに最初からこうすればよかった。」 「も、申し訳ありません………そ、それより、お嬢様は何処に……」 日下部は予感を裏切られる事を祈りつつ訊いた。 「………」 暫しの沈黙の後、主人は無言のまま顎でドアを指した。 「え……な、中……!?」 一瞬、自分の耳を疑った。 「鳥は鳥籠の中が一番だろう。」 「ば、馬鹿な……!」 いくら娘を手元に置いておきたいとは言え、常軌を逸した奇行とも言える行動だ。 ガランッ…! 「………ッ!」 そして、主人は驚く日下部の目の前に板を数枚投げて寄越した。 「…こ、これ…は?」 「貴様は窓側に板を打ち付けて来い…今、直ぐにだ。」 「そッ…そんな事をしたら、お嬢様は…!」 日下部の視界が一瞬歪んだ気がした。
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