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「そうじゃなくて!本当にこの道で合ってるの?」
困った顔も美しい。
大きな瞳、整った鼻、セクシーな唇…一般的に美人と言われる人種だ。
両親は小さい頃に離婚していたが、瞳の事を考えた結果、母親の一存で父方の性を名乗らせているようだ。
そして、生き別れた一人の姉がいるらしいのだが、彼女は父親に、瞳は母親に引き取られた…俗に言う複雑な家庭と言うやつだ。
告白したのは瞳から…希の「絶対に諦めない所」に惹かれたらしい。
何故こんな美人が希に惚れたのかは自身も未だに解らないらしい。
そんな事を考えていたせいか、今まで気付かなかったが確かに道も悪くなってきている。
視界に入る木々も次第に増えてきた気がする。
細長く垂れ下がった枝や葉が、雨を帯びてまるで涎を垂らしている様だ。
「なるほど…薄気味が悪いな。」
車を停めて地図を再確認する事にした。
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