第一章 『過去を振り返って…』

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【朧なる月夜に刀はより一層白く…】   重たい鎧に身を包み 威勢の良い兜を被り 良く斬れる刀を佩き   それでも尚 己が身から溢れる 邪悪なる気は収まらず……   これまでに何人 斬って来た…… これから又何人屠る   それが使命だから… それは違う……   ギリギリの駆け引き それにただ深く心酔しているだけ……   刀のせいにして 血を欲するのだと 確かにこの刀は   幾人もの血を 食らって来た…   これからも我は 人を斬らずには おれぬのだろう……   願わくは この戦場にて果てる ただそれだけを切に願うのみ……   我はただ武者であるが故に… 次の戦に向け刀を研ぎ己が真の理を研ぎ続けるものなれば…   我に相応しき 死に場を求めるのみ いざ斬り結ばん…   2006/12/23 夢ものがたりより 水鏡 月夜
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