第一章 『過去を振り返って…』

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【六つの華のように】   漆黒の翼翻し 飛び行く先は遥か彼方…   闇夜に舞う翼は 風の匂いを頼りに   真北へ向かう 六つの華の舞う地へ   真白き六つの華 舞い散る花びらのように   氷の大地は七色の衣を惜しげもなくはためかせる   幾らかの同胞は挫折し散って行った…   目指す氷の丘に 漆黒の翼が降り立つ   刺すような寒さの中 舞い散る六つの華 春の美しき花の舞い散るかのように…   目を細め じっと吹雪に耐えた   ほんの少しだけ早い 春の陽射しに   新しい旅立ちを 夢見た……   幼き頃に聴いた 優しい声に共鳴するかのように導かれ   新たな安息を求めるべく 碧き空に自由を感じ 心に響く懐かしい囁きに 笑みを漏らしながら求むる かの地へ……   再び翼を広げる 六つの華に似た輝く真白き翼を…   広い大空を覆い尽くすかのように……   2006/12/25 夢ものがたりより 水鏡 月夜
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