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…………あの力は………!!
宗は鳥の力を見て愕然した。
何故、鳥である金さんが、私と同じ法皇の権限を使う事が出来る?!
裁かれるべき者を裁くべき神の元へ送り込む……。神を送り込む、自分の能力との違いはあるが、間違い無く法皇である自分と同じ能力だ。
宗は言葉を継げずにいると、鳥が宗と薬嗣の元へと戻って来た。
「…………なんだ。ビックリした顔してるなー。」
鳥は何処吹く風で宗に笑い掛けた。
「……………貴方は………何者なんですかっ?!勝手に繋ぎの扉を開けて……しかもその能力は……!!」
「宗ちゃんと同じ法皇の能力ってか?で、ゲートまで開けて、かづっちゃんが裁きに来ないのもおかしい?」
「………。」
宗は薬嗣を背に隠す。
………ひょっとするとこの鳥は、あのゴミよりも厄介な相手かもしれない。
「んもー。宗ちゃん金玉小っちゃいなー。小さい男はモテ無いよ?」
……………………。
「こいつっ!!会話レベルがみかん並みだっっ!!」
「き、金さんっっ!この場合、き……の大きさは関係ないですっっ!!」
「えー?だって昔っから言うじゃない。金玉の小さい男は度量も小さいってさー。そんな小さい金玉だったら薬嗣、満足させれないんじゃないのー?」
ケラケラと笑う鳥は放送禁止用語を連発する。薬嗣と宗は止められなかった。
「まあねえ。俺様みたいに強く逞しく、そして凛々しい男は何でも出来るのさ。宗ちゃん、俺、目標にするがよい!」
「お断りさせて頂きます。」
「瞬殺かよっっ!!……まあ良いか。残念だけど宗ちゃん。時間切れー。君に答えは教えてあげないよ。開門。」
「!!」
薬嗣と宗の足下に先程ては違う扉が浮かび上がる。淡い緑色の扉だ。
「ちょっとさ、君たちも綺麗にしといで。そっちからの道案内は、おっさん其の三がするからさ。じゃあね。答えは今度ゆっくり教えてあげるよ。閉門。」
開いた扉の中へ落ちながら、宗と薬嗣は、鳥が器用に手を(正確には羽だが)振っているのを見た。
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