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「どうして、私なの。」
「どうして・・・」
~動き始めた時間~
いつもの坂道を上り登校する。
ありきたりの日々ではあるが
俺は、このありふれたスクールライフが結構好きだった。
だが、今日はいつもと少し違った。
「あれは・・。」
一人の女の子が、不良の男三人に絡まれていたのだ。
「おい、人が話しかけてんのに無視してんじゃねーぞ!」
その中の一人が、不気味にニヤリと笑いながら言った。
「ふぅ、、気持ち悪いから近づかないで。」
リンとした声でそう言うと、その場から立ち去ろうとしていた。
「待てよ。」
女の子の肩を掴む
「女だからって、優しくしてやったら付け上がりやがって。チョーシのってんじゃねーぞ!」
そう言うと、拳をふり上げ今にも殴りかかろうとしていた。
その刹那、
「あの、ちょっといいですか?」
あろうことか、俺は、声をかけてしまったのだ。
「あん? 誰だお前」
三人の目が一斉に俺を睨む。
ここまできてしまったからには、もう後には引けない。
「その子、俺の彼女なんですよ。リカ、早く行かないと学校に遅刻するよ。」
俺は、その子の手を掴むと。
「では」
全速力で坂道を降りた。
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