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「あ~。やっと終わったぁ。」
「フフフ。お疲れ様。」
今日の整理は最悪だった。ゴキブリは出る、ムカデが出る、棚が崩れたりと大変だった。
「本当に大変だったね。」
「まったくだ!」
「まぁまぁ。元気出しなよ。これから私の家に来ても良いからさ。」
「マジで?」
「うん。マジで。」
疲れが一気に吹っ飛んだ。
優香の家は学校と俺の家の真ん中辺りにあって、この町で1番有名なケーキ屋だ。
遊びに行くと絶対にケーキをご馳走してくれるし、お土産だってくれるんだ。
「じゃあ、早く行こうぜ!」
「まったく、翔梧ったら。現金なんだから。」
俺らはすぐに学校を出た。しばらく歩いていると
「あ!数学のノート忘れてきちゃった。取ってくるから先に行ってて。」
返事もしないうちに鞄を俺に押し付けてタタタタと走っていってしまった。
「日頃のお返しで脅かしてやるか。」
そんな事を思いながら電柱の陰に隠れていた。
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