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携帯で時間を見ると,ちょうどお昼｡
なるほど,だから目が覚めたのか｡
どこにでもあるはずの壁掛け時計は
授業に集中させるためか
藍澤には職員室くらいしかない｡
｢気をつけ,礼｣
声を合図に一斉に机をガタガタと動かす音が,
妙にうるさい｡
窓の外を覗き
晴れてるな,と確認してから
鞄を片手に下げて教室をでる｡
1年の教室は最上階にある｡
職員室と3年生は1階｡
受験を控えた生徒たちがいつでも質問できるように,
ぎりぎりまで残れるように,という教師の計らいらしい｡
志穂は最上階の階段をさらに上がり,1つのドアの前に立った｡
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