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…晴れのはずなのに
なぜか暗い。
目を開けると
自分を覗き込む顔と目が合った。
それも,至近距離。
「な,んで……?」
やっと出た声は情けなく掠れていた。
同じクラス,隣の子。
「水野さんさ,いつも誰とも関わろうとしないから…
尾行てきちゃった
まさか屋上の鍵持ってるとはね」
口の一片を引き上げて笑った顔は,先ほどとは打って変わって
実に意地が悪そうだ。
「――みづき。」
「……は?」
「私の名前。
どうせ覚えて無いでしょ?
高瀬みづき。
よろしくね,志穂チャン」
正直かなりめんどくさい。
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