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高瀬みづきは分かってか分からずか
あたしの隣に座って
自分の弁当を開けている。
鍵,閉めとけばよかったな。
そう思いつつ,冷めたおかずを口に運んでいった。
「ねぇ,志穂ちゃ…」
「志穂でいい」
別に,遮ってまで言う必要も
呼び捨てされる程親しくなった覚えさえも
全くと言って良いほど無かった。
だけど,言ってしまったものはしかたない。
「―志穂,誕生日は?」
「……12月25日。だけど,
そんな事聞きたいわけじゃないんでしょ?」
みづきは細い目を数回瞬かせ,
「まぁね。
面白い事する気ない?
私と。」
と,あの意地の悪そうな笑顔を見せた。
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