2人が本棚に入れています
本棚に追加
「ない」
食べ終わったあたしは
片付ける手を止めずに即答する。
屋上と校舎内とを繋ぐドアを開けようとすると
フェンスに寄り掛かって校庭を眺めていたみづきが振り返った。
「あー…ねぇ,
私,鍵無いんだけど。
いくら使ってないにしたって
閉めなきゃバレるよね,誰かが持ってんの。」
鍵を貸すのは,気が進まない。
スペアを作られたら,それこそあたしの場所じゃなくなる。
志穂は深いため息をもらした。
「なんなの?
めんどいんだけど。
だいたいさ,なんで尾行てきたわけ?
あたしはあんたと関わる気無いから。」
最初のコメントを投稿しよう!