プロローグ

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「ない」 食べ終わったあたしは 片付ける手を止めずに即答する。 屋上と校舎内とを繋ぐドアを開けようとすると フェンスに寄り掛かって校庭を眺めていたみづきが振り返った。 「あー…ねぇ, 私,鍵無いんだけど。 いくら使ってないにしたって 閉めなきゃバレるよね,誰かが持ってんの。」 鍵を貸すのは,気が進まない。 スペアを作られたら,それこそあたしの場所じゃなくなる。 志穂は深いため息をもらした。 「なんなの? めんどいんだけど。 だいたいさ,なんで尾行てきたわけ? あたしはあんたと関わる気無いから。」
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