第1話

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「そういえば、莱奈ちゃんはどこ中?」 文貴くんが尋ねてきた。 あ、来た。その質問…って感じだ。 別に答えるのが嫌な訳じゃない。 めずらしがられるのが嫌なのだ。でも、まあ答えなきゃ……悪いよね。 『学校名言っても分かんないと思うよ。…私、中学北海道だから』 「へぇ、北海道?転勤とかで埼玉来たの?」 『そ。だけど私ね、北海道にいたの中学の3年間だけなんだ。小学校までは埼玉。 だから、引っ越してきたってよりは、戻ってきたって感じかな』 「大変だねー。それじゃあさ、埼玉のこととかわりと知ってんの?」 『まあ、それなりには……ね。 それに、こっちに従兄弟いるから遊びにも来てたし』 同い年の従兄弟。 1年半ぐらい直接的には会っていないから、元気にしてるかな…なんて考える。  
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