114人が本棚に入れています
本棚に追加
会いたくなかった。
別に嫌いなわけじゃない。
そう、"嫌い"じゃないの……。
運が良かったのか、彼は私に気付くことなく、自分の席についたようだった。
しかも、席は対角線、つまり、私の窓際の後方と逆の廊下側の前方。
ほっとしてると、「席につけー」と言いながら先生が入ってきた。
それから、先生の今日から高校生なんだから…とかっていう耳にタコな話があって今日は終わりになった。
* * *
「莱奈ちゃーん」
半分ぐらいのクラスメートが教室を後にして、私も帰ろうと荷物をまとめて立ち上がった時、隣の文貴くんが話しかけてきたので『なに?』と反応する。
最初のコメントを投稿しよう!