第0話:プロローグ

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『いいって。 あのね…』 彼女はそういって、名簿をだして自分の名前を指した。 『まず、漢字の間違いから。 このキミがさっき"かがみ"って読んだ字。 よく似てるけど、鐘(かね)って漢字だよ』 続けて、そのとなりの文字に指を滑らせる。 『んで、これ。菜の花の"菜"に見えるけど、くさかんむりのした、"来"って字なの』 わかる? とオレの顔を覗き込んだ。 ちょっとドキッとする。 『結局、 "冬鐘莱奈"って書いて "フユカガミナナ"じゃなくて、 "トウガネライナ"って読むの。 莱奈でいいよ。 よろしくね。 水谷くん』 「よろしくっ、莱奈ちゃん」 今更気付いたけど…… 大切なのって仲良くなれるか、なれないかだよな!
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